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餃子の話

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先日、妻が餃子を作ってくれた。

私たち夫婦は共働きでお互い帰る時間がマチマチなので

夜ご飯を共に食べる機会が少ない。

なのでどちらかが早く(かなり)帰った場合など料理を用意する

ことが暗黙のルールとなっている。最近はほとんど妻だが。

 

 

その日の私はというと、近頃はじめたばかりの

ボクシングジム通いの日で帰りが遅かった。

一方、サービス業の妻は休日で久しぶりの夫婦の晩餐に手作りの

餃子を焼いていてくれていた。

 

リビングの扉に手をかける間もなく油のはじける音がする。

「今日は餃子」その事実はすでにLINEで予告済み、

今日ご飯何?というスリル感はないが、約束された喜びに心がはやる。

そもそも「今日は餃子」とはなんとも語呂がいい。

私は趣味でラップを自主製作しているのだが、いつか使えそうなリリックだ。

 

 

扉を開けると鮮烈なまでの「焼き」の匂い。

遅れて食欲をそそるにんにくの香り。妻はにんにく抜きなど

という浅い踏み込みはしない。料理に関しては至近距離から

殴り合うストロングスタイルがウリだ。

 

当然餃子の餡は手作りで、皮を手で包む。

レシピはあまり見ないので個性的な餡が内蔵されているハズ。

フグのてっさよろしく、3個ほど箸でつかんで頬張りたいが

まずはプロテインだ。ゴールデンタイムを逃すほど私とてわやじゃない。

 

 

餃子だ。レシピを見ないと先述したが、それが原因か

妻の餃子は両面焼きが基本だ。水を入れて蒸らすのだが

さらにトサカ部分をこれでもかと焼く。カリカリのみを

追求した皮食感と見せかけて、意外と柔らかい。

 

是か非かはともかく食す。案の定、カリッとはいかないがその分スムースに

餡パートへとエントリーできた。

 

肉汁たっぷりのオイリーテイストかと思いきや、どちらかと言えば

マットな味わい。鶏団子、つみれを彷彿とさせる肉感。肉々しさが際立つ

ヘビーテイスト。大量のキャベツを投入したと聞いていたがどこ吹く風の

豚、豚、豚。デパ地下で調達したという豚肉は普段のスーパーのそれとは、違う。

 

タレも秀逸だ。

醤油と酢、一味で構成された黒。

ピリ辛がきいたゴマダレの金。

(このゴマダレ秀逸すぎて是非紹介したいが、また次の機会としよう。)

オーバースペックともいえる豚のひき肉を、

このクロガネのタレが見事に受け止めている。

 

 

密度の高い肉餡を想像してもらえるとわかりやすいが

食べ応えはかなりのもの。トレーニング後のたんぱく質補給の観点

から見てもトクホものだが、本来餃子とはそういう類の楽しみ方ではない。

この肉の激しい訴えはビールをもってはじめて報われる。

 

プシュッ!取っておいたご当地一番搾りのプルタブを開け、

夜も更けていくのであった。